REPORT

「第2回島会議」を開催!(前編)

島を支える事業・産業に関わる人たちや、日頃から島の活性化に取り組む住民が集まり、領域の垣根を超えて、島のブランド化について話し合う「島会議」。10月24日、東京・赤坂にて開催された第2回目の島会議は、2018年度に参加している大島・神津島・三宅島・八丈島の4島のメンバーを集め、都心でのフィールドワークと外部講師を招いて地域ブランドにまつわる講義を実施。当日の島会議の模様を前・後編の2回にわたってレポートします。

第2回目は4島が集まり、フィールドワークを実施

それぞれの島の住民自身が自らの島の宝を見つめ、議論や共有を深める島会議。第2回目となるプログラムの前半は、2018年度に島会議に参加している大島・神津島・三宅島・八丈島の4島のメンバーが集まり、都心でのフィールドワークを実施。

各島のメンバーが島の垣根を越えて4グループに分かれ、ブランド化に取り組む様々な施設などを訪問。今後の島のブランド化に向けたインプットを図り、島会議第3回目以降の島のブランド化・高付加価値化に向けたヒントとなるような気づきを持ち帰ることが目的です。

第2回島会議開催の冒頭で、博報堂ブランド・イノベーションデザインの竹内慶部長より、フィールドワークの各コースの施設などの簡単な概略紹介と引率するファシリテーターを紹介。フィールドワークを行う際のポイントなどを共有し、早速各グループでフィールドワークへ出発しました。

<渋谷コース>

  • TRUNK(HOTEL)(トランクホテル)
    「まちに開かれたホテル」をコンセプトとし、新しい社会貢献のスタイル<ソーシャライジング>の発信拠点
  • FabCafe(ファブカフェ)
    レーザー加工機や3Dプリンターなど最先端の工作機械が設置されているカフェスペース

<世田谷線コース>

  • STUDY(スタディ)
    世田谷区の松陰神社ローカルタウンに佇む「地域密着型大衆食堂」として時間を問わず「MEAL SPACE=お食事空間」を提供するカフェ
  • 松陰PLAT(プラット)
    築50年以上の木造アパートをリノベーションして作られた複合施設
  • IID(Ikejiri Institute of Design) 世田谷ものづくり学校
    2004年10月に廃校となった旧池尻中学校の校舎を再生した複合施設

<谷根千コース>

  • 谷中hanare(ハナレ)
    一つの建物に完結したホテルではなく、まち全体を一つの大きなホテルに見立てた地域と一体になったホテル
  • 上野桜木あたり
    地元の寺社が所有していた築80年の古民家群を改修したコミュニティスペース

<清澄・両国コース>

  • LYURO(リュウロ)東京清澄 ーTHE SHARE HOTELSー
    築30年のオフィスビルをリノベーションしたホテル
  • 喫茶ランドリー
    コインランドリー店が手がけるコインランドリー+αの新業態
  • Nui. HOSTEL & BAR LOUNGE(ヌイ ホテル&バー ラウンジ)
    外国人観光客を中心に賑わいを見せるゲストハウス

これからの取組に活かせる、気づきの共有

フィールドワーク終了後、赤坂に再び集合した参加者たちは、びっしりとメモが書き込まれたノートを手に、訪問先での気づきを隣人と話したり、撮影した写真を見せあったり、それぞれが各訪問先にて今後に向けたヒントが得られたよう。その気づき、ヒントを共有すべく、コースごとにグループディスカッションを実施。

事前に配布されていた「気づきの共有ワークシート」を元に、「魅力的だと感じた/ヒントになると思ったもの(商品、空間、人、情報etc)」、「それは、なぜいいのか。魅力点に関する考察」、「それによって、どんな人が、どんな気持ちになると思うか」、「島のブランディングに活かせそうなこと」をそれぞれ記入し、各グループでディスカッションと模造紙への付箋の貼り出しを行っていきます。

渋谷コースでは、TRUNK(HOTEL)とFabCafeに共通することとして、コンセプトの徹底や、運営等に携わる人やそこに集う仲間の大切さ、ワクワク感などが挙げられました。その上で、島の人の優しさやおもてなし、島への憧れ感や非日常的なワクワク感は通ずるところがあるという声が出ました。また、東京産や国内産へのこだわりの強いTRUNK(HOTEL)とはコラボレーションができるのでは、といった意見も出た一方で、両施設のように魅力的になっていくためには、島の人たちの意識改革が必要だといった意見も挙がりました。

STUDYと松陰PLAT、世田谷ものづくり学校を巡った世田谷線コースでは、素材の良さを活かした場作りや、使命感ではなく無理をしないで自分ができることをするという取り組み方、プロジェクト全体あるいは地域全体を俯瞰して見ること、そこにあるモノに目を向け愛するなど、今後のヒントとなるキーワードが多く挙げられました。また、いずれの施設も新しいモノを作るのではなく、そこにあるモノを見直すことなどが島会議とも共通しており、これからの取組に対する自分たちの視点をどこに置くべきなのか、ヒントをつかんだようでした。

谷根千コースからは、谷中hanare・上野桜木あたりについて、空間や施設にストーリーがある点やコンパクトで無理がないこと、居るだけで「おもしろい」が見つかる空間、地域への愛情が感じられることなどが、魅力的な点として挙がりました。また、立地の悪さを活かしたり、一見、客が主体的に選択しているように見せるエリアの作り方や、地域愛とビジネスとの絶妙なバランス感覚などが、今後の取組の参考にできるのではないかという声も。その上で、小さな一つひとつのクオリティの高さや、パンが美味しいなど、当たり前のことを当たり前に行う大切さは、島でも必要なことといった意見が挙がりました。

清澄・両国コースでは、テーマやストーリーの大切さ、コンセプトやターゲットの一貫性、地域やコミュニティを大切にしている点などが挙げられ、今回訪問した3つの施設ともに、「出会いの場を提供している」ところが共通しているという気づきがありました。また、個性的であり、それぞれのカラーをきちんと打ち出していることや、すでにあるものを使ってリノベーションしていること、その個々のアイデアの素晴らしさなども共通点として挙げられていました。その上で、自分一人でできることは限られているが、思いを共有できる仲間が必要であるとし、これからの取組を通じて、そういった仲間をもっと増やしていきたいという意見が出ました。

フィールドワーク後のグループディスカッションでは、第1回目の島会議以上に活発な意見交換があり、実際に現地を訪れ、目で見て、話を聞くことで大きな刺激になったようでした。島会議後半では、フィールドワークで見た実践の場に対する裏付けとなるブランディングについて、有識者からの講演を実施します。(後編に続く