REPORT

「第4回島会議」八丈島で開催!

12月21日、八丈島の八丈町商工会研修室にて、第4回「島会議」が開催されました。その模様をレポートします。

顧客へ提供したい価値と具体的アクションを探る回

「島会議」は、島を支える事業・産業に関わる人たちや、日頃から島の活性化に取り組む方々が集まり、領域の垣根を超えて島のブランド化について話し合う場。12月21日、八丈島の八丈町商工会研修室(八丈町役場内)で第4回島会議が開催。第1回から参加している、様々な業種のメンバー7名が集まりました。

ファシリテーター主導のもと、まずは今回の第4回島会議のゴールについて説明がありました。

「今回の第4回島会議のゴールは、前回までに皆さんで設定したペルソナ(象徴的顧客)に対して、どんな価値を提供するかを考え、具体的なアクションプランに落とし込むところまでを考えること」だと伝えました。

また、島会議そのもののゴールについても「島会議の目的は、素晴らしい景観や価値といった島の宝物に対して本質的な魅力を掘り下げてコンセプトを作り、それを体現するモノやコトや場を磨き上げたり組み合わせたり新たに作り出すなどして、国内外の市場・顧客・事業者に向け発信すること」との説明があり、改めて参加者同士で目的意識を共有しました。

続いて、第4回島会議のゴールである、ペルソナに提供したい価値とアクションプランを企画するにあたり、「誰に」「どんな価値を提供する」「(ひとことで言うと)何なのか」というブランドコンセプトの基本となる要素を解説。強いブランドコンセプトの例として、スターバックスコーヒーの「The Third Place」というコンセプトから様々な商品やサービスが生まれてきたことを解説。コンセプトが定まっていると、色々なアクションを考える時にその方針が固まりやすくなることを伝えました。

次に、2018年12月に開催された第3回島会議の振り返りが行われました。前回は、2チームに分かれて設定した4つのペルソナを、1つのペルソナに集約していく過程で、島の価値を伝えるターゲットとなるペルソナが八丈島に求めるもの、キーワード、ポイントを考えていきましたが、その内容を今回の参加者で振り返ります。今回はペルソナに対して、具体的なアクションプランを考えるところまでがゴールとなるため、ペルソナを再確認していくのはとても重要な時間です。

ペルソナに紹介したい“島の宝物”を発表

前回設定した八丈島のペルソナについて、Aチームは夏場の繁忙期と冬場の閑散期で異なる2つの顧客像を、Bチームは閑散期のロングステイ客として2つの顧客像をそれぞれ想定。その中から、様々な価値観のターゲットの入り口として周囲への情報拡散力の高い「ユキちゃん」が八丈島のペルソナ代表に決定しました。第4回島会議の主たる作業は、このペルソナに対して、具体的なアクションプランを考えること。

その手掛かりとなるのは、「ペルソナに伝えたい島の宝物」です。ここで、前回の宿題として課された「島の宝物(モノ、コト、場所、その他)」を撮影した写真と、撮影写真を紹介するためのワークシートについて、参加者が1人ずつ発表していきました。

「人と人が出会う場」「八丈フルーツレモン」「島の森で山メシ体験」「天体観測(玄関を出たらすぐに見ることのできる満天の星空)」など、ペルソナのユキちゃんに見せたい宝物や、「友達ができた、また八丈島に行ってみようかな」「次回はキャンプ道具一式を持ってこなくちゃ!」など、宝物を体験したユキちゃんの気持ちを参加者が一人ずつ発表。

ファシリテーターは発言を聞きながら「ペルソナの気持ち」「ペルソナにとっての価値」を付箋に書き出してそれぞれの写真に貼り付け、島の宝物と価値を可視化させていきました。

島の宝物と価値の整理

「数多く示された八丈島の魅力を一つに凝縮するとどうなるのか。魅力の本質を明確にすることで、具体的な企画がたてやすくなります」とファシリテーター。

貼り出された写真を前に、ファシリテーターが参加者へ質問を投げかけ、個々の宝物はペルソナの人生にどんな価値を提供できるのか、また、島の本質的な魅力とどう関わっているのかを引き出し、分かりやすく整理しました。

その後、それぞれの発表内容に対する各自の思いを可視化するために、各自が「良いと思う宝物」「ペルソナに感じてほしい価値」にシールを使って3票ずつ投票。沢山ある島の宝物の中で、ペルソナが望むものはどれか。参加者は真剣な表情で選んでいました。

投票の結果、島の宝物は「人と人が出会うハブ」「八丈レモン、うみかぜ椎茸など、島ならではの気候風土が生む作物」「癒しと刺激が得られる海山ツアー」「インディーズ感」に、ペルソナに感じてほしい価値は「人の温もりを感じられる」「島のテロワール(※)を感じられる」「ビタミンH(※)のチャージ」「充電・浄化の循環がある」「八丈らしさを食べられる」「心の感受性が高まる」に票が多く集まりました。

※テロワール……その土地の環境を反映した味わいや香り
※ビタミンH……「八丈島(Hachijojima)の「H」から連想される「Humor(ユーモア)」や「Healing(ヒーリング)」など、八丈島が持つ人を元気にする力を表す造語

島ブランド・コンセプトの可視化

続いて、ペルソナは島にどういう価値を感じてくれるのかを図式にまとめる作業を行いました。「ユキちゃんのプロファイルの中で特に大切な要素」「ブランド価値の中で特に大切な要素」「ブランド価値を支える事実・特長」を各自3つずつ付箋に記入し、模造紙の「島ブランド・コンセプトシート」に貼り出していきます。

ペルソナの特徴は「人生を前向きに楽しめる」「自然が好き・好奇心豊か(自然の原体験が少ないことの裏返し)」「人が大好き」「感受性が豊か」「私だけが知っているというインディーズ感」などが、ブランド価値は「浄化と充電」「循環」「ビタミンH」などが挙がり、ブランド価値を支える事実・特長は、「島FOODS」「自然環境」「島の暮らし」「テロワール(火山・黒潮など)」などが挙がりました。

「キーワードは、『島の風土』『循環』です」。貼り出されたペルソナの特徴とブランド価値をファシリテーターが整理し、「八丈島のペルソナは感受性が豊かで自然が好きな、向上心のある女性。自然が好きな一方、田舎がなくて寂しい。人が好きな一方、都会で疲れているという、リアリティのあるペルソナになっている」と評しました。

そんなペルソナが求めるのは、心身のリフレッシュと自分自身のレベルアップ。島のブランドコンセプトは、風土を反映した八丈島らしいものや、循環がキーワード。ファシリテーターの整理の元、八丈島の「島ブランド・コンセプトシート」がまとまりました。

今後のアクションプランづくり

次に、整理されたブランド価値を踏まえて、今後どのような体験や場を作っていくと八丈島の価値を伝えられるかを検討しました。

各自が「アクションアイデアシート」に企画のアイデアを書き、発表。森の中に入り自分で調理する楽しさを味わう「島食材で山ごはんツアー」や、島の入り口となる情報提供サービス「私何したらいい?を助ける」、食を通じて島の風土を五感で感じる「風土&FOODツアー」などの案が披露されました。

各自の発表から「食をコアにした、島の風土FOODを五感で味わい、人と文化に触れ、知ることを楽しむ体験」を提供するという大筋の方向が見えた一方で、このような内容を盛り込んだツアーを実施したとして、果たしてペルソナは参加するのだろうか、安直にツアーの企画として進めていいのか、との問題提起がありました。

話し合いの中で、ファシリテーター及び事務局より「ツアーに限定せず、まずはユキちゃんが島の魅力を自由に選ぶ入り口となるような情報提供の仕方を考えてはどうか」との提案を行い、その日のプログラムを終えました。

今後は、ファシリテーターとも相談しながらアクションプランを作成。1月29日に開催される第2回東京宝島会議で八丈島の島会議発のアクションプランを中間発表します。

参加者の声

田村 真吾さん(一般社団法人八丈島観光協会)

「ブランドコンセプト探しを進める中で、島の魅力や、島ならではの部分が『見える化』できてきました。もやもやっとしたところから、前進してきたという実感があります」

魚谷 孝之さん(八丈乳業株式会社)

「今回、ガイドブックに載らないけれどユキちゃんが喜びそうなスポットをいくつか挙げましたが、実はもっともっと沢山の良い場所があるんです。どうしてこんなに沢山思い浮かぶかというと、自分自身がユキちゃんに近いんだと思います」

大沢 竜児さん(株式会社大竜ファーム)

「今日はみんなの様々な考えに触れられた。それぞれの得意分野を生かした一体感が感じられて、この会議は良い方向へ行くな!と確信しました」