REPORT

「第4回島会議」大島で開催!

12月20日、大島にて、第4回「島会議」が開かれました。その模様をレポートします。

第4回島会議のゴールと目的の確認

「島会議」は、島を支える事業・産業に関わる人たちや、日頃から島の活性化に取り組む方々が集まり、領域の垣根を超えて島のブランド化について話し合う場。12月20日、大島にて、第4回「島会議」を開催。第1回から引き続き参加している、様々な業種の13人のメンバーが、一堂に会しました。

ファシリテーター主導のもと、まずは今回の第4回島会議のゴールについて説明がありました。

「今回の第4回島会議のゴールは、前回までに皆さんで設定したペルソナ(象徴的顧客)に対して、どんな価値を提供するかを考え、具体的なアクションプランに落とし込むところまでを考えること」だと伝えました。

また、島会議そのもののゴールについても「島会議の目的は、素晴らしい景観や価値といった島の宝物に対して本質的な魅力を掘り下げてコンセプトを作り、それを体現するモノやコトや場を磨き上げたり組み合わせたり新たに作り出すなどして、国内外の市場・顧客・事業者に向け発信すること」との説明があり、改めて参加者同士で目的意識を共有しました。

続いて、第4回島会議のゴールである、ペルソナに提供したい価値とアクションプランを企画するにあたり、「誰に」「どんな価値を提供する」「(ひとことで言うと)何なのか」というブランドコンセプトの基本となる要素を解説。強いブランドコンセプトの例として、スターバックスコーヒーの「The Third Place」というコンセプトから様々な商品やサービスが生まれてきたことを解説。コンセプトが定まっていると、色々なアクションを考える時にその方針が固まりやすくなることを伝えました。

次に、2018年11月に開催された第3回島会議の振り返りが行われました。前回は、3チームに分かれて設定した3つのペルソナを、1つのペルソナに集約していく過程で、島の価値を伝えるターゲットとなるペルソナが大島に求めるもの、キーワード、ポイントを考えていきましたが、その内容を今回の参加者で振り返ります。今回はペルソナに対して、具体的なアクションプランを考えるところまでがゴールとなるため、ペルソナを再確認していくのはとても重要な時間です。

大島の島民が考えるペルソナに伝えたい“島の宝物”は?

前回設定した大島のペルソナについて、Aチームはデザイナーとしてバリバリ仕事をしながら、ストレスフルな生活を送る31歳都内在住の女性「ほたるさん」、Bチームは世田谷出身で都心の金融機関に勤務する24歳の若くはつらつとした男性「修造君」、Cチームは都心で働き、女性誌のライターとしても活躍するショートカットの利発そうな30代後半都内在住の都会的な女性「剛力メグミさん」をそれぞれ想定。その中から、「Cチームのペルソナが100人、1,000人と集まってくる中で、その中の数人がAチームやBチームのペルソナのような『島に住みたい』と思う人になってくれればいい。発端はまずメグミさんのような人を増やすこと」と意見がまとまり、Cチームの「剛力メグミさん」が大島のペルソナ代表に決定しました。第4回島会議の主な作業は、このペルソナに対して、具体的なアクションプランを考えること。

その手掛かりとなるのは、「ペルソナに伝えたい島の宝物」です。ここで、宿題となっていた「島の宝物(モノ、コト、場所、その他)」を撮影した写真と、写真を紹介するためのワークシートについて、参加者が1人ずつ発表していきました。

「和泉浜で汐風アペロ(※)」「椿のメグミ体験とアンコ体験」「火山と海を同時に体験できるウシキ遊泳場」「ハンマーヘッドシャークの群れを見ることのできる大島北西部のダイビングポイント」「与那国馬のホースセラピー体験」など、ペルソナに体験してほしい大島のアクティビティや、「島の自然と人がつながる共創スペース」「元町の仲見世通り」「海辺近くの空き家」などの大島を訪れたペルソナが立ち寄ることのできる「拠点づくり」にフィーチャーした写真も多く挙がりました。

※アペロとはアペリティフ(食前酒)の略。食事の前にお酒を楽しむ習慣でイタリアやフランスなどではライフスタイルとして根付いている

宝物を体験したペルソナの気持ちとして、「東京から手軽に来ることができて贅沢」「アンコさんコスプレ楽しい!」「大島に着いた」「自然を満喫するぞ!」「お酒好きなので、お店が集まっていれば飲み歩きができる」など、参加者それぞれがペルソナの気持ちになって発表しました。

島の「宝物」と「価値」の磨き上げ

参加者の発表を元に、ファシリテーターが「写真で表現されている内容」を黄色い付箋に、「ペルソナが感じていることや価値と思うこと」を赤い付箋に書き出してそれぞれの写真に貼り付け、島の宝物と価値を可視化させていきました。

貼り出された写真を前に、個々の宝物はペルソナの人生にどんな価値を提供できるのか、また、島の本質的な魅力とどう関わっているのかを引き出し、分かりやすく整理しました。その上でまだ出し切れていない宝物について確認すると、三原山と裏砂漠やバームクーヘン(地層切断面)などが追加された。

その後、それぞれの発表内容に対する各自の思いを可視化するために、各自が「良いと思う宝物」「ペルソナに感じてほしい価値」にシールを使って3票ずつ投票。沢山ある島の宝物の中で、ペルソナが望むものはどれか。参加者は真剣な表情で選んでいました。

投票の結果、いい風景として票が多かったのは「汐風アペロ」。その他、遊覧船、港、馬、ダイビング、Buddy's Bell(※)にも票が集まりました。また、ペルソナに感じてほしい価値として、「都心からすぐの立地で気軽な贅沢」「自然の豊かさ」「非日常」「雄大さ」「リフレッシュ」「船に乗って海に出る楽しさ」「住んでいる人と同じ体験ができる」などに票が集まり、都心に近いながらも手軽に非日常が味わえる「大島の特徴」が見える結果となりました。

※バディーズ・ベル。島の北西部、元町港から始まる海岸道路「サンセットパームライン」の終着点「野田浜海水浴場」にある鐘のモニュメント

島ブランド・コンセプトシートから導き出す大島の価値

続いて、ペルソナは島にどういう価値を感じてくれるのかを図式にまとめる作業を行いました。「ペルソナプロファイルの中で特に大切な要素」「ブランド価値の中で特に大切な要素」「ブランド価値を支える事実・特長」を各自3つずつ付箋に記入し、模造紙の「島ブランド・コンセプトシート」に貼り出していきます。

ペルソナの特徴は「都会の仕事で疲れている」「非日常や癒しを求めたい」「好奇心旺盛で冒険したい」「刺激がほしい」「他ではできない体験をしたい」などが、ブランド価値に「『行きつけ』の島」「日常に非日常を取り入れられる」などが挙がり、ブランド価値を支える事実・特長に、「ヒト」に「踏み込んで親切な人」(困っている観光客に声を掛ける、一歩踏み込んだ親切心のある島民)、「モノ」に「くさや」、「コト」に「遊覧船」、「ジオ巡りツアー」、「バ」に「裏砂漠」、「海」、「サンセットパームライン」などが挙がりました。貼り出されたペルソナの特徴とブランド価値から導き出されたキーワードは「非日常と都心からの近さ」。

参加者の意見が概ね出揃ったところで、「これまでの会議でも度々議論されてきた「移住者」と「観光客」の真ん中の層をニュアンスとして入れておくべきか?」というファシリテーターからメンバーへの問いかけがありました。それに対し、メンバーからは「ペルソナは大島を第2の自分の地と考えるのではないか」「島ということを前面に打ち出していきたい。観光よりは暮らしに視点があった方がいいかもしれない」「暮らすというよりは、行きつけの島という言葉が当てはまるかもしれない」というような意見が挙がりました。

これらの意見を受けファシリテーターは、軽井沢や鎌倉のような別荘地や房総半島などとの違いとして、「そもそも島であること」を前提に、しかし、非日常という視点では、他の島でもある程度非日常であることから、「暮らす」という要素と「島の非日常」という要素が両方あるということが、他のどの島とも違う大島独自の要素である、と結論付けました。

そんなペルソナが求めるのは、非日常の刺激や落ち着ける場所。島のブランドコンセプトは、非日常を、日常に取り入れることができ、大自然の中で1人、ホッと癒されたりパワーをもらえるような「行きつけになれる島」。こうして大島の「島ブランド・コンセプトシート」がまとまりました。

ブランドコンセプトに紐づくアクションプランづくり

次に、整理されたブランド価値を踏まえて、今後どのような体験や場を作っていくと大島の価値を伝えられるかを検討しました。

各自が「アクションアイデアシート」に企画のアイデアを書き、発表。パームライン沿いにカフェを作る「Umibe cafe」や、「裏砂漠でナイトトレッキング」と題したこれまでにない裏砂漠のツアー企画、漁師やダイビング事業者、地元サーファーとの連携が期待できるマラソン大会の海版企画「大島の海で泳ごう!」など、様々なプランが披露されました。

全員の発表が終わったところで、各チームでアクションアイデアの「差別化」や「課題」についての議論し、アクションプランの実現化に向けた活発な意見がやり取りされ、それぞれのアクションプランについて議論を深めたところで、第4回島会議のプログラムが終了しました。

今後は、ファシリテーターとも相談しながらアクションプランを作成。1月29日に開催される第2回東京宝島会議で大島の島会議発のアクションプランを中間発表します。

参加者の声

中里 遣人さん(伊豆大島コミュニティスクール)

「まず、このように集まって話し合える『場』を、設けていただいただけでも大変ありがたいです。島の人間だけでは、このような機会は、なかなか作ることはできません。ただ、今回の第4回島会議を終えた時点では、アクションプランについての議論が足りない、というのが率直な感想です。来月の発表までにプランをまとめきれるのか、プランの内容によって、気持ちが離れてしまう人がいるのではないか、という不安を持っていますが、絶好の機会ですから、何かしらの成果を出したいところではあります。今後、参加者で成果(ゴール)を共有し、伊豆大島としてメリットを掴みに行ける『場』になればと願います」

古山 めぐみさん(シマラボ)

「今回の議論について、後半のアクションプランがまとめきれなかったのが大変残念でした。まだメンバー間でのペルソナが定まってないのかなとも感じました。次回は東京宝島会議での発表ということで、何としても今後の大島に活かせるようなプランを創り出したいところですが、それまでに間に合うか心配です。ただ、このように島内の人達とプランを作り上げていく経験が初めてだったので、様々な意見が聞けて大変有意義な時間が持てたと思っています。今回のプランを実現させて、この経験が今後の大島の発展にも繋げていければホンモノだなと思っています」

平山 秀茂さん(ブルーヘイズ農場)

「大島には多くの事業者がいる中で、自分に白羽の矢が立ったことに最初は懐疑的な気持ちがありました。しかし、会議を重ねる内に、これは与えられたチャンスなのだと思い、この会議に参加できない方からの意見も聞いて『島の皆さんの代弁者』であればよいのだと考えるようになりました。第4回島会議は、時間的な制約もあり残念ながらアクションプランの議論が十分できたとは言えない状況です。ただ、十分にできなかったことで『このままではいけない』という思いが強まり、そこからメンバー同士で自主的に集まる計画が立ちました。これは今までの会議体にはないことで、こうした動きそのもの、自主的に動こうという『人財』が育っていくことそのものが島のブランディングに繋がっていくのではと思っています」